競売のリスク

さまざまなリスクを伴うのが実情です。

RISK

市場の流通価格より安く購入できる競売物件。しかし、残置物や占有者がいることもあり、立ち退きや撤去など落札者が自ら行わなければなりません。 ほかにはどんなリスクがあるのでしょうか。

物件の詳細

お店で商品を購入する場合ならそれがどんな性能なのか説明を求めることができ、 それに納得してから「じゃいただこうかな」と決めることができます。 ですが競売物件は誰も詳しい説明をしてくれませんし、売り物でもないので店員 が優れている点や注意すべき事項を教えてくれることもありません。 住宅など建物なら中に入って観察したいところですがそれもできません。 入札の窓口となる裁判所で「ここに住みたいけど夜中にうるさくないかな、近所の 住民はどんな人達なのか知っています?」と質問したって教えてはくれませんし、 そうしたことは自分で現地調査をして情報収集するしかありません。 しかものんびりとはしていられず、限られた期間でそれを済ませて入札するか どうかを決めねばならないので、見落とした点があるとあとから後悔するはめに なるかもしれなリスクがあります。 早く処分したいから安い、なのでじっくり考えている時間はないよというのが競売 ですから、どのような物件かを完璧に把握することは難しいのです。

現金が必要になる

競売に入札する時点でも保証金を用意しなければなりませんし、落札できたら残金 も現金一括で納めることになります。 入札しようと決めてから残金の納付までそれほど長くはありませんので、早い段階 で多額の現金を用意しておくことになるでしょう。 金融機関のローンを利用する手もありますが、いきなり「お金貸して下さい」 「今週中に800万円欲しいのでお願いしますよ」と頼んだってお断りされる 可能性が高いですし、スピードが求められる競売ではあらかじめキャッシュを準備 しておくのが安心確実です。 ですが落札できるかもわからないうちから800万円や1200万円を動かす 準備をしておくのはたいへんで、頻繁に土地の売買をしている不動産屋ならともかく 個人がそれをするのは相応のリスクを伴います。 場合によっては競売用のローンを断られることもあるでしょう。

瑕疵担保責任

競売ではなく普通に不動産を購入した場合は、売主に瑕疵(かし)担保責任が あるのでもしも瑕疵があったのなら損害賠償を求めたりどうにも我慢ができなければ 契約そのものを解除することもできるのですが、競売で手に入れた不動産だと 瑕疵担保責任は一切無いため、自分でどうにかするしかありません。 裁判所が相手になるのでそこを訴えるというのも度胸が要りますし、そもそもそれが 認められていないからこそ安い物件であるのです。 何があっても自己責任で、詳細を知らされないまま入札、落札するのはいうなれば 商品のパッケージだけを見て買うようなことです。 実際にどんな物なのかは推理や予想するしかなく、手に入れてから思ってたのと 違ったからと契約を破棄することも許されない、ハイリスクな物件なのです。 それを回避する能力は専門業者が高いので、プロにアドバイスを求めたり競売代行 をお願いする一般人が後を絶たないのでしょう。